出逢い
本との出逢いは、人との出逢いに似ている。
大量の書物が並ぶ書店で、色の洪水ともいえるほどの背表紙が並ぶ書棚で、私の指先に、ふっと触れてくる本がある。
そんな時、「あ、きっと、今の私に必要な出逢いだ・・・」って、感覚が私に囁く。指先が温かくなる。
今日、1冊の本に出逢った。
出版されたのはもう2年近く前の本だった。
Coccoの「想い事」という本。
シンガーであるCoccoの曲を、私はいつも最後まで聴くことができなかった。彼女の歌は、私の心の中の一番痛い場所を容赦なくえぐってくるから。
優しいふりしながら、本当は胸の隅っこに黒いものが棲んでいることを認めざるをえなかったり。この心の中にある弱さ、汚さ、狡さ・・・気付きたくないのに、見たくもないのに、「そのお粗末な心を直視しろ」と、目の前に引っ張り出されたような気分になってしまったり。「不快」とは違う、けど、とても傷つけられるのだ、彼女の歌には。
たぶんそれは、彼女自身の痛み、叫びなんだろうとも思う。
そんなCoccoが書いた本。たくさんの想い。たった1ページ読んだだけで、目頭が熱くなった。2ページ読んだら、涙は零れ落ちた。うっかり電車なんかで読まなくて良かった。電車内でボロボロと涙を零す三十路女なんて奇妙奇天烈。
今夜はこれ以上は読めない・・・そう思って本を閉じた。
生まれ故郷の沖縄をこよなく愛し、戦争という歴史を生々しく感じ、自分の無力さを思い知り、それでも未来を求めて祈り続けるCoccoの「想い事」。言葉で表現なんてできない優しさと、厳しさと、愛情と、残酷さが詰まった本だった。
私の胸に確かな温かさと傷跡を残してくれるような本に出逢えて良かった。
追記。
今夜はこれ以上読めない・・・そう思いながらも、気になってまた本を手に取った。読み終えたあと、私は本を抱きしめた。こんな気持ち、初めてのこと。
訂正。彼女の言葉は残酷なのではなくて、あまりに真実。そしてあまりに崇高。
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コメント
Re.ゆきこちゃん
いつも遊びに来てくださってありがとう♪
同じように感じてくれる人がいるって、とっても嬉しいです。
みんなそんなもんなのかな。
右肩に天使、左肩に悪魔を乗せてるのかな、昔のアニメみたいに(笑)。
投稿: cranberry | 2009年5月28日 (木) 21時20分
ココロの陽だまりにふらっと遊びにきたくなる。
いつも言葉の表現がビンビン響くんですよ私の心に。
私は言葉を上手く表現できなくて自分でじれったいんですけれど。私の心の中にも天使と悪魔がいつも存在しています。きっとみんなそうなのかもしれないのかなぁ~。
投稿: ゆきこちゃん | 2009年5月27日 (水) 21時24分